セールスライターが知っておくべき顧客心理4:マズローの欲求5段階説
セールスライターが知っておくべき顧客心理の第4弾になります。
今回は、「マズローの欲求5段階説」をご紹介します。
マズローが唱えた行動科学の学説の一つで、コピーライティング以外にも社会保険労務士試験のテキストも載っていたりと、古くから様々な分野で使われている学説です。
この欲求5段階説を知ることで、どの段階の見込み客をターゲットにするのかによって、心を揺さぶるためにどの角度から書けば良いかが変わってきます。
つまり、セールスレターを書く時に、どのようなセールスレターにするかを決めるための手助けになるものです。
では、「マズローの欲求5段階説」の解説に移りましょう。
セールスライターが知っておくべき顧客心理4
マズローの欲求5段階説
人間が持つ欲求を低次から高次まで5つに分類
マズローは「欲求は動機付けの要因であること、また欲求は低次から5段階あり、低次の欲求を満たせば次の高次の欲求へと移る」という説を唱えました。
これが、「マズローの欲求5段階説」の概要です。
では、具体的には、
1:生理的欲求
2:安全欲求
3:親和欲求
4:自我欲求
5:自己実現欲求
の5つになります。
1の生理的欲求から始まり、5の自己実現欲求が一番高次の欲求となります。
そのため、生理的欲求が満たされたら次の安全欲求へ、安全欲求が満たされたら次の親和欲求へと、どんどん欲求が満たされるたびに高次の欲求へと人間の欲求が移り変わっていくということをマズローは言っているのです。
それでは、1〜5まで個々の欲求について解説いたします。
1:生理的欲求
一番本能に近い欲求が「生理的欲求」で、人間の基本的な欲求になります。
例えば、
「お腹が空いたから、食べ物を食べたい」
「眠たいから、寝たい」
「膀胱に尿がいっぱいだから、排尿したい」
などの人間が生きていく上で、必要不可欠な欲求が生理的欲求になります。
もちろん、本能や生存に関わる欲求なので、欲求5段階説の中では一番強い欲求となりますし、
セールスレターで購入してもらうという観点では、生存欲求に属する見込み客が一番簡単に購入してくれます。
よく、
「砂漠のど真ん中で水を売れば、100万円でも購入してくれる」
という例えがありますが、これは「水を飲みたい」という生理的欲求を刺激しているのです。
2:安全欲求
安全欲求は身の危険から守りたいという欲求で、文字通りの身体的な安全を求める欲求をはじめ、
「借金だらけだから、お金を得る方法が知りたい」という、経済的な安全を求める欲求も含まれています。
そのため、生活が苦しい人への稼げる系のセールスレターなどは安全欲求を刺激しています。
また、「将来への不安や混乱を避けたい」といった欲求も、安全欲求に含まれます。
つまりは「外界からの刺激に対する防衛欲」が安全欲求です。
この安全欲求は先ほどの生理的欲求と同じくらい強い欲求とマズローも定義していますので、安全欲求を刺激するセールスレターも数多くあります。
3:親和欲求
親和欲求は、「仲間と一緒にいたい」とう欲求です。
人間は誰一人として、一人で生きていくことはできません。そのため、「誰かと一緒にいたい」という欲求が生まれつき持っているものです。
言い換えると、「人肌恋しい」とか「ホームシック」のこの親和欲求のあらわれと考えることができます。
しかし、「一人でもホームシックや人肌恋しい」といった感覚になったことがない人もいることでしょう。
それは、「実際に一人であっても精神的な繋がりを感じている人」だからです。
精神的な繋がりがしっかりあれば、親和欲求は満たされているので、一人暮らしをしてもホームシックになることがないのです。
ちなみに、「会社や組織に所属したい」といった所属欲も親和欲求に含まれます。
また近年、SNSが流行っているのは、スマホの普及以外に「誰かと繋がっていたい」という親和欲求を満たすためだからと見ることもできます。
4:自我欲求
自我欲求は「仲間から自分の存在を認められたい」という欲求になります。言い換えると、承認欲求とも言います。
社会に属していれば、誰しも「自分の存在価値を認められたい」と欲求があるのは自然なことですよね。
「自分の存在価値を周りに認めさせたい!!」という欲求はサラリーマンの世界では、「出世」といった形で見られます。
また、「お客様に笑顔になってもらえた」とか「ありがとうと言われる」を仕事のやりがいと感じている人も、この自我欲求が満たされた結果、そのような発言になります。
他にも、
キャバクラやホストクラブで多額のお金を使う人、つまり、ハマってしまう人も自我欲求が満たされた結果です。自我欲求が満たされたことで、気持ちよくなり、ついついハマってしまうのです。
5:自己実現欲求
一番高次の欲求として、自己実現欲求があります。
この欲求は簡単にいうと、「自分はどこまでできるのか知りたい」という欲求です。そのため、ある程度成功した人が欲することが多いです。
例えば、
「日本のプロ野球選手が大リーグに挑戦する」
「アフィリエイターが自分一人でどこまで稼げるかやってみる」
のような欲求があります。
また、もっと身近なところでは「テレビゲームで高得点を取れる人が、最高何点取れるかチャレンジする」といったのも含まれます。
つまり、「自分の可能性を発見し、挑戦したい」という欲求とも言えます。
まとめ
今回はマズローの欲求5段階説をご紹介しました。
人間の欲求を5つに分類しているので、かなり大まかな分け方と批判する学者もいるのですが、
セールスレターを書く時に、ターゲットとなる見込み客がどの段階に所属しているのかを考えることで、
セールスレターの内容をどのようにするか決める時に、非常に役に立つ考え方です。
例えば、
単に「お金を稼ぎませんか?」と言いたい時でも、生理的欲求は安全欲求の段階のターゲットには、
「今の生活は苦しくイヤで、いち早く抜け出したいですよね。それならお金の稼ぎ方を学んで、生活を安定させるスキルを磨きましょう。」
といった感じになりますが、
自己実現欲求の段階のターゲットなら、
「あなたの実力はそのような小さなものではありません。あなたが、どこまで稼げるかチャレンジして見ませんか?より効率的に、より社会に貢献できる稼ぎ方がここにはあります。」
といった感じになります。
このように、ターゲットの段階によって、どのように感情を揺さぶるのかといった、攻める角度が変わってくるのです。